10日の土曜日から三回目の区画分の接ぎ木作業を行いました。
3日かかってやっとできました。

10日の日は接ぎ木作業を始めてみたけど、思ったよりも茎が細かったので200穴トレイを8枚だけやって終わりました。
その日の夜温の設定を少し高めにして帰ったので、次の日からちょうど良い太さで接ぎ木作業ができました。

200穴トレイを1枚接ぎ木するのに、だいたい35分かかります。
接ぎ木したトレイを養生室に持って行ったり、次のトレイをドブ漬けしてから持ってきたりと接ぎ木作業以外にも時間がかかります。
なので僕が一人で一日にできる量は頑張って12トレイです。
だいたい10a分って感じです。

たっぷり水を持った200穴セルトレイが40枚も養生室に入っていると、加湿器を使わなくても湿度は90%を維持しています。
換気をして湿度を70%まで下げても、30分もするとまた湿度は90%まで上がっています。

室内の温度も、日中温かいと24℃まで上がってしまいます。
理想は温度22℃、湿度80%でずっと維持していたいのですが、なかなか思うようにはいきません。
室温が高いと湿度を上げないと接ぎ木した苗が萎れてしまいます。萎れないよう湿度を上げると今度は水疱症が出てしまいます。

毎年悩んでいるのですが、今年は良い方法を発見しました。
基本、養生室はLEDライトをつけっぱなしにしていました。
でもよく考えたら24時間明るいなんて植物にとっては異常なんじゃないかなと思ったし、暗い夜の間に傷口を治療するんじゃないかと思って、日の入り時間(18時)にライトを消してみました。

翌日朝6時にまた点灯します。

12時間消灯をするようにしてからは室温24℃、湿度90%で3日間養生室に入っていても水疱症は出ていません。

そもそも水疱症は葉が水を吸いすぎて細胞が壊れてしまうことでおきます。
苗の葉は光があると光合成して、水を蒸散させます。
根は水と養分を吸い上げます。
24時間ライトをつけっぱなしにしていたことで
1,葉はずっと光合成と蒸散をし続ける。
2,根はまだ小さくて未熟とはいえ、頑張って水を吸い上げる。
3,光合成して蒸散したいのに、湿度が高くて蒸散量が少ない。
4,水は吸い上げる、光合成はする、でも蒸散量は少ないので葉が水をためこみすぎる。
5,その結果、細胞がパンパンに膨らんで水疱症になる。
夜の12時間消灯をしたことで
1,光合成と蒸散がいったん止まる。
2,根からの水の吸収もゆるやかになる。
3,苗が水を落ち着いてバランス良く使える。
4,葉が膨らみすぎず、水疱症が起きない!
多分うちの場合はこういうことなんじゃないかと思っています。
先輩農家さんや地元の苗屋さんは、24時間点灯で水疱症を出さずに上手に接ぎ木苗を作ってみえるので、僕のセルトレイに使っている土や、水やりの頻度、また養生室の環境なんかで僕のやり方には12時間消灯が合っていたんだと思います。
何年やっても難しいですが、試行錯誤して良い結果が出ると嬉しいです。